食品業界の海外輸出・越境 EC 入門|始め方・費用・注意点【2026 年版】
日本の食品メーカーが海外輸出・越境ECを始めるための基本ステップ。規制確認・チャネル選択・デジタルマーケティング戦略を解説。
食品業界の海外輸出・越境 EC 入門|始め方・費用・注意点【2026 年版】
公開日:2026-06-08
著者:UDX 株式会社 コンサルティング事業部
ターゲット KW:食品 海外輸出 / 食品 越境EC / 食品 海外進出
文字数目標:3,000 字
はじめに
「国産食品は海外で人気」と聞いても、実際に輸出・越境 EC を始めようとすると「何から手をつければいいか分からない」というのが多くの食品メーカー・食品加工業者の現状です。
規制・関税・言語・決済・物流——国内販売とは全く異なるハードルが次々と現れます。
本記事では、日本の食品企業が海外に進出する際の 基本的な流れ・費用・デジタル戦略 を解説します。
第 1 章:日本食品の海外需要の現状(2026 年版)
市場規模
農林水産省の農林水産物・食品の輸出実績は、2023 年に初めて 1 兆円を超えました。中でも:
- 醤油・味噌・酢などの調味料:アジア・欧米で安定需要
- 日本酒・ウイスキー:プレミアム需要が欧米・中国で急増
- 菓子・スナック:SNS 映えする商品がアジアで人気
- 冷凍食品:東南アジアの中間層拡大で需要増
- 健康食品・機能性食品:欧米・豪州で健康志向トレンド
チャンス・リスク
| チャンス | リスク・課題 |
|---|---|
| 「JAPAN」ブランドへの高い信頼 | 各国の食品規制・成分表示要件 |
| SNS で日本食ブームが継続 | 中小企業の輸出手続き知識不足 |
| 越境 EC で小ロットから開始可能 | 物流コスト・関税 |
| 訪日客が「帰国後も買いたい」 | 偽造品・無許可販売への対策 |
第 2 章:食品輸出の基本的な流れ
STEP 1:ターゲット市場の選定
「どの国に売るか」を最初に絞ります。全方位対応はリソース不足の中小企業には不可能です。
選定基準:
- 日本食ブランドの認知度が高い国(台湾・香港・シンガポール・タイ・アメリカ etc.)
- 自社製品と類似カテゴリの輸入実績がある国
- 規制ハードルが比較的低い国(最初はアジア圏が取り組みやすい)
UDX 推奨ツール:ジェトロの「世界はいま」「国・地域別情報」→ 対象国の規制・市場データを無料で確認できます。
STEP 2:輸出規制・食品安全基準の確認
最も重要なステップです。食品は 各国の食品安全規制に適合しない限り輸出できません。
主要国の確認ポイント
| 国 | 規制機関 | 主な要件 |
|---|---|---|
| アメリカ | FDA(米国食品医薬品局) | FSVP(海外供給者確認プログラム)、成分ラベル英語表示 |
| EU | EFSA | 食品添加物の EU 承認リスト確認、栄養成分表示義務 |
| 中国 | GACC | GACC(中国税関総署)の事業者登録、中国語ラベル |
| 台湾 | TFDA | 原材料の成分申告、繁体字ラベル |
| シンガポール | SFA | 特定食品カテゴリは事前登録、ハラール認証(対象製品のみ) |
まず確認すること:輸出したい製品カテゴリが対象国で「輸入禁止・制限品目」に当たらないか。例えば、肉類・乳製品は多くの国で厳格な規制があります。
STEP 3:輸出チャネルの選択
チャネル A:既存の輸入業者・卸業者を通じた輸出(間接輸出)
特徴:リスクが低く始めやすい。ただし利益率は低く、ブランドコントロールが難しい。
- JETRO の「バイヤーマッチング」や業界展示会(FOODEX JAPAN、SIAL etc.)で現地バイヤーを探す
- 国内の輸出商社を利用する
チャネル B:越境 EC(直接輸出)
特徴:利益率が高く、ブランドを守れる。ただし物流・返品対応・言語対応が必要。
主要プラットフォーム:
- Amazon Global Selling:日本の Amazon セラーアカウントから海外向けに出品
- Shopify + 多通貨決済:独自の越境 EC サイトを構築
- Lazada / Shopee(東南アジア):現地の大手 EC に出店
- Tmall Global(中国):規制が厳しいが市場規模は大
チャネル C:現地販売店・小売への直接交渉
特徴:ブランディング効果が高い。交渉に時間がかかる。
STEP 4:デジタルマーケティングによる海外集客
輸出チャネルを整えても、「見つけてもらえない」ままでは売れません。
食品業界で効く海外デジタルマーケ
- 英語 / 現地語のブランドサイト:JAPAN ブランドを活かした商品ストーリーを発信
- Instagram / TikTok:食品は視覚的な SNS との相性が抜群。海外インフルエンサーとの連携
- Google Shopping 広告:越境 EC からの購入誘導
- SEO コンテンツ(英語):「[食品カテゴリ] from Japan」「authentic Japanese [food]」などのキーワードで情報発信
STEP 5:物流・関税・決済の整備
物流
- EMS / 国際宅急便(小ロット・サンプル発送):ヤマト、日本郵便
- 海外倉庫の活用(まとまったボリュームになってから):FBA(Amazon 倉庫)、3PL
- 温度管理:冷凍・冷蔵食品は対応できる国際物流業者が限られるため事前確認必須
関税
輸出先の関税率は HS コード(国際統一商品分類コード)で確認。日本の EPA(経済連携協定)を活用することで関税が減免される場合があります。JETRO の「タリフ&レギュレーション」ツールで検索可能。
決済
越境 EC で必要な多通貨・多決済手段:
- Stripe / PayPal:グローバル標準
- Alipay / WeChat Pay:中国向け
- 地域別決済(Paynow-シンガポール、PromptPay-タイ etc.)
第 3 章:食品の越境 EC で起こりがちな失敗
- 成分表示で規制違反:添加物・原材料が輸出先で使用禁止 → 税関で差し止め
- ラベルが現地語未対応:バイヤー・消費者の信頼を失う
- 品質クレームへの対応が遅い:海外のクレーム対応は日本語で通じない
- SNS 口コミが急増しても対応できない:在庫・物流体制の未整備
- 偽造品が出回っても対策できない:ブランド保護(商標登録)の未実施
第 4 章:UDX が支援できること
UDX 株式会社は、食品業界の海外進出を デジタルマーケティング × 経営 DX の両面から支援します。
- 市場・競合のデジタルデータ分析(どの国に売るかの判断支援)
- 英語 / 現地語ブランドサイトの制作・SEO 設計
- Google Ads / Instagram 広告の海外向け運用
- HubSpot を活用したリード獲得・バイヤーナーチャリング自動化
まず「自社に何が必要か」を把握するなら:
まとめ
食品の海外輸出・越境 EC は、正しい順序で進めれば中小企業でも十分実現できます。
- ターゲット市場を絞る(全方位は NG)
- 規制を確認してから動く(違反は致命的)
- まず間接輸出か小ロットの越境 EC から始める
- デジタル(ブランドサイト + SNS + 広告)で海外集客を仕組み化する
- 物流・関税・決済を段階的に整える
「どこから始めればいいか分からない」という方は、UDX の 30 分無料相談 をご活用ください。現状をヒアリングした上で、御社に最適な進め方をご提案します。
著者:UDX 株式会社 コンサルティング事業部
設立 2021 年 / 海外デジタルマーケティング × 経営 DX ソリューション
グループ実績:50 ヶ国・1,000 案件以上(PROVENANSグループ)