調査・分析
UDXのAI検索可視性モニタ(2026-08-31)では、業界別の想定質問をClaude・ChatGPT・Perplexityに投げ、回答本文の企業名言及を集計しました。合算の「シェアが高い/低い」だけでは足りません。同じ企業でもエンジンごとに言及が割れ、ChatGPT側が0件のケースが目立ちます。
| 業界(抜粋) | 言及が相対的に多い企業 | 同じ調査での観察 |
|---|---|---|
| 化学・素材 | 旭化成/住友化学/信越化学工業(各4/6) | Claude・Perplexityで厚く、ChatGPTは0 |
| 精密部品 | 村田製作所(4/6)、TDK/京セラ/ニデック等(3/6) | 同上のエンジン偏り |
| インバウンド | JTB(4/6)、HIS/星野リゾート/プリンス(3/6) | 航空ブランドは0件が複数 |
| 食品 | 味の素/キッコーマン/日清食品/サントリー(各2/6) | 上位でもChatGPTは0 |
ここで言うシェア・オブ・ボイスは、「固定した質問セット×固定したエンジンセット」の中で、自社(または競合)が回答本文に名前として出た割合です。検索結果の順位シェアとは別物です。Semrushなど外部ツールのAI SoV定義とも近い一方、本モニタはUDXが質問文・エンジン・集計ルールを自前で固定した一次調査です。
言及(ブランド名が本文に出る)と引用(URLが出典として付く)は分けます。今回の集計は言及中心です。引用だけが増えて名前が出ない、または名前だけ出て自社ドメインが引用されない、というズレは別指標で追います。両方を1列に足すと、改善の打ち手がぼやけます。
合算比率だけを経営資料の見出しにすると、エンジン差が消えます。消えると、「弱いエンジンを直す」判断が止まります。まずはエンジン別の表を同じページに置くことが大切です。
表の列は最低でも Claude/ChatGPT/Perplexity の3つです。列を隠した合算は、説明の最後に回します。最後に回す理由は、合算が先にあるとエンジン別の空白が見えにくくなるからです。
調査日は2026-08-31です。エンジンはClaude(claude-sonnet-4-5)、ChatGPT(gpt-4o)、Perplexity(sonar)の3つです。質問は業界別に用意し、英語は海外バイヤー視点、日本語は国内担当者視点で投げています。各企業の「mentioned_in / of_questions」は、その業界の質問本数に対する言及回数です。食品なら6本中の何本で名前が出たか、が読み方です。
エンジンセットを途中で増減すると、前回比が壊れます。壊れた比を「改善した」と読むと、施策の効果が過大に見えます。エンジンを変える月は、ベースラインを取り直す、と訂正ポリシーに書いておきます。
英語サイト側の別測定(2026-08-03)では、Claude/ChatGPTをWeb検索なしのAPIで、Perplexityを検索接地ありで比較しています。新規公開コンテンツの先行指標はPerplexity側、という注記があります。日本語モニタと英語ベースラインを混ぜて1本の折れ線にすると、時点と接地条件が崩れます。
崩れた折れ線は、週次の冒頭では使いません。使うなら、脚注に「接地あり/なし」「調査日」を必ず書きます。脚注が無い折れ線は、アーカイブ専用にします。専用にした折れ線は、経営向け1枚には載せません。載せるときは、脚注付きの別紙にします。別紙のタイトルは調査日を含めます。
化学・素材では、旭化成・住友化学・信越化学工業が各4/6でした。内訳はClaude 2/2・Perplexity 2/2に対し、ChatGPT 0/2です。精密部品の村田製作所(4/6)も、同じ型の偏りです。TDK・京セラ・ミネベアミツミ・ニデックは3/6です。上位企業でも、列ごとの姿が違います。
ここでの実務含意は、「化学カテゴリは全エンジンで露出が大きい」ではなく、「Claude/Perplexityでは名前が出やすい一方、ChatGPTの同じ質問では出ていない」です。合算4/6を見て安心すると、ChatGPT利用者向けの露出が空のまま残ります。
空のまま残すと、海外バイヤーがChatGPTで比較した週に、候補リストから外れるリスクが残ります。リスクを減らすには、ChatGPT向けに一次情報(仕様・用途・英語FAQ)を増やし、再測定でChatGPT列だけを見ます。合算列の再測定は、その後で十分です。
英語FAQを増やすときの最小単位は、用途1つ+仕様表1枚です。長いブランドストーリーより、比較質問に答えやすい断片の方が、言及に繋がりやすい傾向があります。断片は、既存の製品ページから切り出しても構いません。新規の長文を書かなくても進められます。
食品の上位は味の素・キッコーマン・日清食品・サントリーで各2/6です。産業機械ではファナックが3/6、オークマ・アマダが2/6です。化学の4/6と比べると、食品・機械は同じ6本スケールでも言及回数が低めです。
低い理由を「ブランド力が弱い」と決めつける前に、質問文がカテゴリ総論寄りかどうかを点検します。総論寄りだと、特定企業名が出にくいことがあります。次の測定では、用途・規格・輸出向けの具体質問を増やし、総論質問と分けて集計します。
ファナックはClaudeで2/2、ChatGPTは0/2です。機械カテゴリでもエンジン差が本体です。合算3/6だけを競合比較に使うと、Claude側の見え方が全体に広がって見えます。
広がって見える状態を避けるには、競合比較表の見出しを「合算」ではなく「エンジン別」にします。見出しを変えるだけで、会議の質問が変わります。質問が変わると、次の宿題が「英語FAQを1本」に具体化しやすいです。
インバウンド関連ではJTBが4/6、HIS・星野リゾート・プリンスホテルが3/6でした。一方、日本航空を含む航空系は0/6が複数あります。旅行の「手配・滞在」質問では、航空ブランドが名前として出にくい可能性があります。
出にくい結果を「認知がゼロ」と読む代わりに、質問セットの偏りを疑います。旅行会社・宿寄りのセットなら、航空は別セットが必要です。訂正ポリシーとして、カテゴリ内で質問の偏りが疑われた月は、当該カテゴリを再設計してから順位を更新します。
再設計前の数値は、社内資料に「暫定・質問偏りあり」と注記します。注記なしのランキングは、翌月の訂正コストが大きくなります。
航空セットを作るときの例は、「成田発の接続」「貨物」「マイル提携」など、宿・手配とは切れた問いです。切れた問いを同じ表に混ぜないことが大切です。混ぜると、JTBの高言及と航空の0件が同じ尺度に見えてしまう。尺度を揃える前に、質問クラスタのラベルを表の左端に書く。ラベルがない表は、週次の比較対象から外す。
外部解説でも、エンジン別にSOVが大きく割れるのが普通だとされている。本モニタでも、同じ質問セットでChatGPT列が0に寄るパターンが反復している。合算1本は説明用の要約に留め、意思決定はエンジン別表で行う。
意思決定の単位は、「業界×エンジン×質問クラスタ」だ。クラスタを分けないと、英語質問と日本語質問の差も消える。消えると、海外向けコンテンツの優先度が決まりにくい。
優先度が曖昧なまま「LLMOを強化する」と書くと、作業が拡散する。拡散を止めるには、いちばん差が大きいエンジン列を1つ選び、そこだけを次の30日の改善対象にする。30日後に同じ質問で再計測し、列の変化だけを報告する。
報告の1枚目には、合算の前にエンジン別の3列を置く。合算は2枚目以降で足りる。2枚目に置くと、役員が先にエンジン差を見る順番になる。順番が変わると、次の宿題の出し方も変わる。宿題は「英語FAQを1本」など、1週間で終わる粒度に切り分ける。
数値を訂正する条件は次のとおり。質問文を変えた。エンジン版を変えた。集計ルール(表記ゆれ・子会社名)を変えた。いずれかが起きた月は、前回比を「連続」と書かず、新ベースラインと明記する。
言及と引用を取り違えた表は、発見次第差し替える。差し替え前の表はアーカイブに残し、公開原稿からは外す。古い定義が営業資料に残ると、翌四半期の説明が長くなる。
サンプルが小さい業界は、順位の細かい上下を見出しに使わない。今回の各業界は質問6本規模だ。傾向の説明はできるが、1ポイント差の勝敗は書かない。勝敗を書くなら、質問本数を増やしてからにする。
訂正が出た週は、intel週次の冒頭に「何を変えたか」を1行残す。残さないと、翌月の担当が同じ過ちを繰り返す。繰り返すと、四半期比較が続けられない。
今週の1点は、自社カテゴリについて「ChatGPT列が0のままの企業/自社」を1行で固定することだ。固定したら、英語の用途FAQか仕様ページを1本追加し、次回モニタでChatGPT列だけを再計測する。
再計測の前にエンジンを増やさない運用にする。増やすと、改善の帰属が分からなくなる。分からなくなると、次の投資判断がまた合算SOVに戻りやすい。
1行の置き場は、intel週次の冒頭で足りる。冒頭に置けない週は、その週の施策を「測定外」とラベルする。ラベルがあると、翌月のSOV変動の説明材料から外せる。
文例をチャットの固定メッセージに貼ると、担当が変わっても同じ運用が続く。貼る場所は、週次チャンネルのトピックでも、社内wikiの1行でもよい。
A. 違います。UDXが固定した質問・エンジンでの言及回数です。調査時点は2026-08-31です。
A. 本モニタの条件(モデル版・質問文・検索接地の有無)で言及が出なかった、という意味です。まずは「条件付きの非検出」として扱うことが大切です。
A. 要約には使えます。改善の優先順位はエンジン別表で決める運用にします。
A. UDX `ai_mentions_survey.json`(2026-08-31)、英語可視性ベースライン(2026-08-03)。定義の一般説明はSemrush等の公開ガイドを参照(方法論の補助)。