Shopify Markets Pro更新短報| DDU終了でチェックアウト時関税へ
Markets Pro(現Managed Markets)は2026年8月24日、DDP対応地でDDUを終了。関税は配送時ではなくチェックアウトで徴収。今週は市場別の表示とHSコードを点検。2026年9月時点。
最新シグナル

ShopifyのMarkets Pro(現称Managed Markets)は、2026年8月24日にDDP対応の国・地域でDDUを止め、関税・輸入税の徴収をチェックアウト側へ寄せました。変更ログは同年8月11日。本稿では公式の転換点と、越境EC担当が今週やる点検1点をわかりやすく解説します。
| 時点 | 公式の動き | 現場への意味 |
|---|---|---|
| 〜2026-08-23 | DDPとDDUが並存(算出不能地はDDU) | 配送時支払いの市場が残る |
| 2026-08-11 | ChangelogでDDU終了を告知 | 期限付きの切替案内 |
| 2026-08-24〜 | DDP対応地でDDU終了・自動DDP化 | チェックアウトで関税・税を支払う |
転換前:Markets ProとManaged Marketsの位置
旧称「Shopify Markets Pro」は、ヘルプ上では「Managed Markets」として案内されています。Shopify Markets(標準の国際販売ツール)だけでは、販売者自身がMerchant of Record(販売責任者)のままです。税登録、関税、通関対応は自社側の責任です。
Managed Marketsを有効にすると、Global-eがMerchant of Recordになります。目的地での税の納付、現地決済手段、関税・輸入税の扱いをサービス側が引き受けます。店舗のブランドと顧客接点は自社のまま残ります。問い合わせ窓口はShopify Support側に残り、Global-eへ直接問い合わせる運用にはなりません。
利用条件は、Basic以上プラン、オンラインストア、Shopify Paymentsです。本拠はアメリカ合衆国の大陸部、およびカナダ・英国の一部店舗です。単独のGlobal-eアプリとは別物で、同時利用は不可です。有効化前に、現地決済の追加・関税のチェックアウト徴収・電話番号必須・前払い関税の送料など、店舗側の変更点を確認するようヘルプは求めています。
転換前の選択肢:DDPとDDUが並んでいた理由
Delivered Duty Paid(DDP)は、関税・輸入税・通関費を配達前に清算する方式です。顧客はドア先で追加請求されにくくなります。Managed Marketsは多くの目的地でDDP出荷を前提にしています。
一方、Delivered Duty Unpaid(DDU)は、配達時に顧客が関税等を支払う方式です。ヘルプは、関税・輸入税を算出できない一部の目的地ではDDU出荷になると書いています。そうした地では、配達時に請求が起きる可能性があります。
つまり転換前の実務は、「大半はDDP、算出不能地だけDDU」という二層でした。価格表示では、地域別に関税・税・手数料を価格へ動的に含める設定(既定オン)と、チェックアウトで別行にする設定が選べます。動的内税オンのときは商品価格に織り込み、関税の別行は出さず、国内注文と近い形で入金が揃いやすい、と概要ページは説明しています。
転換点:2026年8月11日のChangelog
Shopify Changelog(2026年8月11日)は、見出しどおり「Managed Markets is ending Delivered Duty Unpaid (DDU) support」です。終了日は2026年8月24日。対象は、Managed MarketsがDDPをサポートするすべての国・地域です。
変更内容は2点です。①DDUを使っている/親市場から継承している市場は、DDP対応地では自動的にDDPへ移る。②当該市場の顧客は、配達時ではなくチェックアウトで関税・税を支払う。
Shopifyの説明は、配達時の不意な費用を減らすため、と短く書いています。二次ブログではなく、まずこのChangelogとHelp CenterのManaged Markets概要を一次とします。
転換後:2026年8月24日以降に固定された姿
期限後、DDP対応地ではDDUの選択肢が閉じます。DDUを継承していた市場も、対応地ではDDPへ切り替わっています。DDUが残るのは、Managed MarketsがDDPをサポートしない目的地に限られます(ヘルプの「算出できない一部」と整合します)。
顧客体験の変化は明確です。関税・輸入税はチェックアウトで見える。配達時のキャリア/税関への別払いが、対象市場では想定外になります。関税額の保証(checkout表示額と税関賦課の差をサービス側が埋める)は、概要ページの利点として残っています。
調査時点は2026年9月です。期限は過ぎています。いま必要なのは「まだDDUのまま」という前提の手順書を直し、チェックアウト表示と出荷ラベル運用を現状に合わせることです。
オプトアウトの意味:Managed Marketsを切る判断
Changelogの「やること」は明確です。顧客に配達時支払いを続けさせたい場合は、2026年8月24日より前にManaged Marketsをオフにする。それ以外は追加操作は不要、と書いています。
期限後に配達時支払いへ戻したい場合も、公式が示す経路はManaged Marketsの無効化です。無効化すると、Merchant of RecordとしてのGlobal-e、専用送料、関税計算といった一式が対象市場から外れます。DDUだけを残してMoRだけ維持、という分離は公式ドキュメントに記載がありません。
チェックアウトには、顧客がGlobal-eから購入する旨の免責が表示されます。文言の非表示や書き換えは不可です。免責を外す手段も、当該市場でManaged Marketsを切ることだけです。
変わらない運用:ラベル・HSコード・編集制約
転換しても、Managed Markets注文の履行ルールは残ります。関税が計算された注文(金額0を含む)では、購入できるのは前払い関税のラベルに限られます。配送先の国・州の編集にも制限があります(前払い関税注文や、カナダ/米国/ブラジル向けなど)。国際貨物の申告上限は25,000米ドルです。注文編集後は関税が「(original)」表示のまま残ることがあり、Updateで再計算してから請求・返金する手順がヘルプにあります。
Harmonized System(HS)コードは自動割当され、目的地制約に合わせて調整されることがあります。管理画面の商品Shipping欄で、手入力分と割当分を確認できます。未表示でも関税保証は働く、とヘルプは書いています。ただし品目データの誤りは通関遅延の原因になりやすいので、重点SKUは目視確認が安全です。
米国本拠のラベルはDHL Express、DHL eCommerce、FedExなど。カナダ・英国はDHL ExpressとFedExが中心で、プランや地域により表記が異なります。活性化時に追加される現地決済や電話番号必須も、DDP化後も前提として残ります。
手数料の読み方:転換後も残るコスト構造
Managed Marketsの国際注文には、取引手数料がかかります。Shopify Plusは3.25%、Basic/Grow/Advancedは3.5%です。加えてShopify Paymentsの処理手数料と、為替換算手数料(地域のShopify Payments FXと同率)があります。
法人住所が米国ならManaged Markets手数料への税加算はありません。英国ならVAT、カナダなら州に応じたGST等です。価格に関税・税を含める設定オンの場合、手数料側の税も価格に織り込まれ、顧客画面にも別行は出ません。
DDP化は関税無料を意味しません。徴収のタイミングと責任の所在が変わるだけです。粗利シミュレーションは、転換前の配達時関税込み客単価と、転換後のチェックアウト総額を同じ条件で並べて見直します。
実務1点:市場別の関税表示と重点SKUのHSを1表にする
今週やる1点は、Managed Markets対象市場を1表にまとめ、①DDPへ移ったか/残DDUか、②「価格に関税・税を動的に含める」設定のオンオフ、③重点SKUのHS(手入力と割当)の3列を埋めることです。列は市場名/ステータス/価格設定/SKU確認日の4つで足ります。
例えばEU主要国と、算出不能でDDUが残る可能性がある市場を分けて書きます。ステータスが「未確認」の市場が残るなら、管理画面のMarkets設定を開き、チェックアウトで関税行または内税注記が出るかを実機で見るのが先です。ドラフト注文ではManaged Marketsの配送方法を割り当てないと関税が計算されず、Merchant of Recordも付かない、と履行ヘルプは注意しています。テスト注文の送り方そのものも表の注記に1行足すとよいです。
配達時支払いを事業上どうしても残したい市場だけ、Managed Markets無効化の影響(MoR喪失・専用レート消失)を別紙で洗います。無効化は例外判断です。既定は「DDPを受け入れ、表示とHSを整える」側に置きます。
今週のチェック(Changelog照合・表示・HS・例外市場)
チェックは4つです。①社内手順に「DDU継続」と残っていないか、Changelogの2026年8月24日と照合する。②対象市場のチェックアウトで関税・税の見え方を1件確認する。③重点SKUのHSをShipping欄で見る。④配達時支払い必須の市場があるなら、無効化の得失を書いたうえで森さん/責任者判断に上げる。
①が古いと、カスタマー対応が「配達時に払えます」と誤案内します。②が未確認だと、価格に含む/別行のどちらで顧客が覚えているか社内が割れます。③が空欄だと、通関で止まるリスクが残ります。④だけが本人判断で、それ以外は運用側で閉じられます。
4つが揃ったら、手数料率の微調整や送料CSVの全面見直しは次スプリントに回せます。先に直すのは「転換後の前提」と「表示・HSの事実確認」です。
よくある質問
Q. Markets ProとManaged Marketsは別物ですか?
A. 旧称がMarkets Pro、現行ヘルプの名称がManaged Marketsです。Merchant of RecordをGlobal-eに寄せる越境支援機能として連続しています。調査時点は2026年9月です。
Q. DDUは完全に無くなりましたか?
A. DDPをサポートする国・地域では、2026年8月24日以降はDDUが閉じます。関税を算出できない一部の目的地では、ヘルプ上DDU出荷が残ります。
Q. 今週いちばん先に確認することは何ですか?
A. Managed Markets対象市場の関税表示(内税かチェックアウト行か)と、重点SKUのHSコードです。配達時支払いを残したい市場だけ、無効化の影響を別途洗います。
Q. 出典は何ですか?
A. Shopify Changelog(2026-08-11、DDU終了)、Help CenterのManaged Markets概要・有効化・履行、英国向け手数料ページ。調査時点は2026年9月です。
出典
- Shopify Changelog「Managed Markets is ending Delivered Duty Unpaid (DDU) support」(2026-08-11)— 調査時点:2026年9月
- Shopify Help Center「Overview of Managed Markets」— 調査時点:2026年9月
- Shopify Help Center「Activate Managed Markets」— 調査時点:2026年9月
- Shopify Help Center「Fulfilling and managing Managed Markets orders」— 調査時点:2026年9月
- Shopify Help Center「Managed Markets for the United Kingdom」(手数料率の一次)— 調査時点:2026年9月
UDX Mail Magazine
海外デジタルの実務ノウハウを、メールで無料でお届けします
メールアドレスを入れるだけで登録完了。しつこい営業はいたしません。いつでも配信解除できます。
この記事の内容を、貴社に当てはめると?
まず無料セルフチェック(20問・5分・登録不要)で現在地を確認。 「うちの製品、海外で売れるか」を確かめたい方には、プロが個社別に診断する海外売れる度 個社診断(¥10万・3-5営業日)をご用意しています。