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2026年6月30日、KlaviyoはK:LDNイベントでAIマーケティングエージェント「Composer」を全顧客向け公開βに移行しました。自然言語の指示からメール・SMS・プッシュのキャンペーン草案を生成し、送信前に人が承認する設計です。公開βでは10,000クレジットが90日間付与されます。あわせて2026年5月には、メールで使えていた商品フィード(Product Feeds)がSMS・RCSにも拡張されました。本短報では、海外EC向けCRM運用で押さえる転換点と、今週の一手を整理します。
これまでKlaviyoの商品フィードはメール中心でした。閲覧履歴に応じて商品を差し替える仕組みが、2026年5月のリリースでSMS・RCSにも入りました。海外ECでSMSを使う場合、全員に同じリンクを送る運用から、受信者ごとに商品URLを変える運用へ移れます。設定は一度で、送信時にフィードが解決されます。RCS対応キャリアではリッチカード表示も可能ですが、日本からの越境販売ではRCSの到達率は国・キャリア依存です。まずはSMSでフィードが正しく解決されるかをテスト送信で確認します。
実務では、フィードを入れる前に「商品カタログの言語・通貨・在庫」が国別に正しいかを確認します。フィードが動いても、リンク先が英語固定・在庫切れだとCVRは上がりません。メールとSMSで同じフィード定義を使えるのが利点ですが、文字数制限のあるSMSでは商品名の長さも別途調整が必要です。Shopify等の連携SKUとKlaviyoカタログの同期遅延がある場合、在庫切れ商品が混ざることがあります。同期間隔を週次レビューに含めてください。
ComposerはKlaviyo内の会話型AIで、キャンペーン・フロー・セグメントの草案を作ります。Klaviyo公式ヘルプ(2026年6月26日更新)では、公開βであり出力品質は変動するため、公開前に必ず人がレビューする、と明記されています。メール・SMS・MMS・プッシュのキャンペーン作成、フロー構造の草案、セグメントの自然言語定義が対象です。β版のため、週次でヘルプの更新日を確認する習慣をつけてください。
差別化は「アカウント内の顧客データ・過去キャンペーン・フロー実績を参照できる」点です。汎用チャットツールと違い、セグメント条件やブランドボイスをKlaviyo側の設定に紐づけられます。ただし、AI生成コンテンツには開示文言の要件があり、人物画像を含む場合やSMSなど短尺では別のディスクロージャーが必要、とヘルプが案内しています。
クレジットは公開βで10,000(90日間)。有料プランは紹介価格14ドル/月(2,000クレジット、定価20ドル)から、とコミュニティ発表にあります。75%・90%・100%で使用量アラートが届く設計です。自動送信はせず、承認フローを壊さないことが前提です。
2026年Q2発表では、Instagramエンゲージメントからメール・SMS・WhatsApp購読者へつなぐ「Klaviyo Social Marketing」が一般提供(GA)になりました。Customer AgentもWhatsApp・メールへ拡張されています。チャネルが増えるほど、「どのチャネルでオプトインを取ったか」の記録がCRM上で分断しない設計が重要です。Social経由のリストは、広告用カスタムオーディエンスとメールリストで重複管理しないよう、除外セグメントを1つ決めておきます。
日本企業が海外向けにKlaviyoを使う場合、Instagram経由のリストとECサイト直のリストを同一プロファイルにまとめられるかを先に確認します。国ごとに別アカウントのままだと、Social Marketingの効果が半分になります。WhatsAppは国別の規制・テンプレート審査があるため、Agent拡張を有効にしても即全展開とは限りません。EU圏ではWhatsAppビジネスメッセージの同意取得方法を、メールオプトインと別行で管理します。
効いているのは、オプトイン証跡が国・チャネル・フォーム単位で残っているかどうかです。次に商品フィードのロケール(価格通貨・URL・在庫)を確認します。SMSでは米国TCPA、英国PECR、EUの同意記録など、チャネルごとのコンプライアンス要件も別行で持ちます。Composerはこの前提が揃った後に使うと、生成速度だけが利益になります。揃っていない状態で生成を加速すると、誤送信のリスクだけが上がります。
ヘルプはComposerにメール・SMSのQA(アクセシビリティ・配信性・コンプライアンス)支援があると説明しています。ただしQAは補助であり、最終責任は運用者側です。特にSMSは禁止コンテンツ・文字数・リンク短縮の扱いが国で異なります。メール用に通った文案をそのままSMSに流用しない運用ルールを、社内に1行でよいので書いておきます。越境ECでは、現地法人や代理店のマーケ担当が承認者になるケースが多いため、Composerの下書き共有リンクを社内チャットで回す運用を先に決めておきます。
メールは件名・プレヘッダー・本文・フッター開示の4点セットが揃って初めて配信性が安定します。SMSは160文字付近の制約と、リンク1本に情報を集約する設計が必要です。プッシュはアプリインストールと通知許可が前提で、ECサイトだけの事業者には届きません。Composerは複数チャネルを一括草案できますが、制約はチャネルごとに別です。同じプロモーションでも、メール用長文をSMSに圧縮する作業は人のレビューが必要です。
商品フィードをSMSに入れた場合、短い商品名のマスターを別途用意する運用が現実的です。英語20文字以内の別名カラムをフィードに足すだけでも、クリック率の改善につながることがあります。在庫ゼロのSKUをフィードから除外するルールも、メールとSMSで共通化できます。北米・豪州はSMS利用率が高く、欧州は同意文言の厳格化が目立ちます。国別に「SMSが使えるか」「RCSが届くか」を表にしておくと、フィード拡張の優先順位が付けやすくなります。
Composer利用時は、誰がどのプロンプトでどの草案を承認したかを社内チケットに残します。Klaviyo側のActivity Logも2026年に拡張され、変更履歴の追跡がしやすくなりました。β期間中に「AIが送った」ではなく「人が承認した」証跡を残すと、後からの問い合わせに強いです。クレジットは75%・90%・100%でアラートが届く設計なので、テスト環境と本番で同じアカウントを使う場合は上限設定を先に確認します。
有料プランへ移行するかは、90日の無料クレジット消費ペースを見てから判断します。月数百通の小規模リストなら、手動編集の方が安い場合もあります。リスト規模が数万で週次キャンペーンがある場合、Composerのセグメント草案生成の時短効果が出やすいです。費用対効果は自社の配信頻度で試算してください。β終了後にクレジット単価が変わる可能性があるため、四半期ごとに再見積もりするカレンダー通知を1件入れておくと安心です。
取り違え1は、Composerが自動送信するAIと読むことです(承認必須)。取り違え2は、商品フィード導入=SMS売上が自動で伸びると信じること(カタログ品質が先)。取り違え3は、10,000クレジットを「無制限」と見なすこと(90日・有料移行あり)。いずれも運用設計の前提を誤る典型例です。要注意です。
取り違え4は、公開βの出力をそのまま英語圏以外に機械翻訳して送ることです。ブランドボイスと法規の両方でリスクがあります。取り違え5は、Klaviyo単体でGDPR同意管理が完結すると思うことです。リスト取得元とデータ処理者の役割は別途設計が必要です。取り違え6は、β機能を本番の大型セール直前に初導入することです。クレジット枯渇や仕様変更で当日運用が止まるリスクがあります。
今週やる1点は、「国/チャネル(メール・SMS・WhatsApp)/商品フィード有無/Composer利用有無/承認者名/確認日」の1行表です。空欄のチャネルにComposerでキャンペーンを作らない。表が埋まった行だけ、Composerで再活性キャンペーン(例:90日未購入)の草案を1本試します。
試作した草案は、送信せずエディタ上で開示文言とリンク先ロケールだけをチェックします。問題なければ次の週に小規模セグメントでテスト送信、という順番が安全です。Klaviyoの更新一覧は公式のWhat's Newページで追うと、β機能のステータス変更を取りこぼしにくくなります。本短報の調査時点は2026年8月です。Composerの料金・クレジット体系はβ期間中に変わる可能性があるため、送信前にBilling画面で最新値を確認してください。
A. 2026年6月時点の公式説明では、既存Klaviyo顧客のアカウントに公開βとして含まれ、別途インストールは不要とされています。機能は更新されるため、最新はヘルプセンターを確認してください。
A. 2026年5月リリースでSMS・RCS向けに拡張された、とKlaviyoが発表しています。文字数・リンク形式はSMS向けに別途調整が必要です。
A. チャネル別のオプトインと商品フィードのロケールを表に書き、空欄を埋めてからComposerで1本だけ草案を作る順が安全です。自動送信はしません。