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インコタームズ2020 完全ガイド|11条件の一覧と選び方

作成者: UDX 編集部|Jul 1, 2026 4:20:37 PM

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海外との売買契約で必ず登場するのが「インコタームズ」です。どの条件を選ぶかで、輸送費・保険・通関・関税の負担範囲と、貨物が破損・紛失した場合の危険負担の分岐点が変わります。ここを曖昧にしたまま契約すると、想定外のコストや責任を負うことになりかねません。本記事では、貿易実務に不慣れな中堅・中小メーカーの担当者向けに、インコタームズ2020の11条件と実務での選び方を整理します。

インコタームズとは(費用と危険負担の分岐点)

インコタームズ(Incoterms)は、国際商業会議所(ICC)が定める貿易取引条件の国際規則です。売主と買主のどちらが、どの地点まで「費用」と「危険(リスク)」を負担するかを3文字の記号で表します。契約書やインボイスに「FOB Yokohama」「DAP Los Angeles」のように明記することで、当事者間の役割分担を明確にします。

重要なのは、費用の分岐点と危険負担の分岐点は必ずしも一致しないという点です(例:CIF は費用は仕向港まで売主負担だが、危険は船積み時点で買主に移転)。この理解が曖昧だと、事故時の保険請求や責任範囲でトラブルになります。

インコタームズ2020の11条件一覧

条件正式名称輸送手段危険負担の移転
EXWEx Works(工場渡し)全輸送売主施設で買主が引取った時
FCAFree Carrier(運送人渡し)全輸送指定地で運送人に引渡した時
CPTCarriage Paid To全輸送最初の運送人に引渡した時
CIPCarriage and Insurance Paid To全輸送最初の運送人に引渡した時(売主が保険付保)
DAPDelivered at Place(仕向地持込渡し)全輸送仕向地で荷卸し前に着いた時
DPUDelivered at Place Unloaded全輸送仕向地で荷卸し完了した時
DDPDelivered Duty Paid(関税込持込渡し)全輸送仕向地で買主が引取れる状態にした時(売主が輸入通関・関税負担)
FASFree Alongside Ship海上・内陸水路船側に貨物を置いた時
FOBFree on Board(本船渡し)海上・内陸水路本船の船上に置いた時
CFRCost and Freight(運賃込)海上・内陸水路本船の船上に置いた時
CIFCost, Insurance and Freight(運賃保険料込)海上・内陸水路本船の船上に置いた時(売主が保険付保)

2020年版の主な変更点は、DAT が DPU に名称変更された点、FCA でのB/L記載に関する運用、CIP の付保水準の引き上げ(協会貨物約款A相当)などです。コンテナ船で複合輸送を行う現代の物流では、本来 FOB/CFR/CIF ではなく FCA/CPT/CIP が推奨されます。

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よく使う条件の選び方

売主(輸出者)の負担が軽い順

EXW は売主が自社工場で引き渡すだけで最も負担が軽い一方、買主にとっては輸出通関まで自分で手配せねばならず、実務上は敬遠されがちです。輸出者が輸出通関まで責任を持つ FCA が、初めての取引ではバランスが良い条件です。

買主に「着地まで」届けて差別化する

競合との差別化やEC・小口取引では、DAP/DDP で「相手先まで届ける」提案が有効です。ただし DDP は売主が輸入国の関税・輸入VATまで負担するため、税率や現地の輸入者代理(IOR)要件を事前に必ず確認します。安易な DDP は利益を溶かします。

中小メーカーが陥りやすい失敗

  • 「とりあえずFOB」問題:航空便やコンテナ複合輸送なのにFOBで契約し、危険負担の起点が曖昧になる。
  • DDPの隠れコスト:関税・輸入VAT・現地手数料を見込まず赤字化。特にEUのVATは高率。
  • 保険範囲の誤解:CFR/FOBでは売主に付保義務がなく、無保険で事故に遭う。
  • インコタームズと決済条件の混同:貿易条件(誰が費用/危険を負うか)と代金回収(いつ・どう払うか)は別物。

実務チェックリスト

  • 輸送手段(海上コンテナ/航空/複合)に合った条件を選んでいるか
  • 危険負担の移転地点を、契約書・インボイスに地名まで明記したか(例:FCA Tokyo Port)
  • 保険の付保責任と補償範囲を確認したか
  • DDPの場合、輸入国の関税・VAT・IOR要件を試算したか
  • 採用したインコタームズの版(2020)を明記したか

貿易条件は、価格競争力とリスク管理の両面に直結する重要な意思決定です。自社の物流・決済の実態に合わせて選定し、契約書に正確に落とし込みましょう。

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