Google広告のAI Maxとは?検索キャンペーンの最適化レイヤーと2026年9月移行

AI Maxは新しいキャンペーン種別ではなく、検索キャンペーン内の最適化レイヤーです。検索語句マッチング・テキストカスタマイズ・最終URL拡張と、2026年9月の自動アップグレード(ACA・キャンペーン単位ブロード)を整理します。2026年8月時点。

実務ガイド

Google広告のAI Maxとは?検索キャンペーンの最適化レイヤーと2026年9月移行
Google広告のAI Maxとは?検索キャンペーンの最適化レイヤーと2026年9月移行

AI Maxは、新しいキャンペーン種別ではなく、既存の検索キャンペーンに載せる最適化レイヤーです。Google広告ヘルプでは、検索語句マッチング、テキストカスタマイズ、最終URL拡張などをまとめて扱います。2026年6月11日更新の公式ブログでは、自動作成アセット(ACA)とキャンペーン単位のブロードマッチ設定は2026年9月から自動アップグレードが続く一方、Dynamic Search Ads(DSA)の自動移行は2027年2月開始に延期、と明記されています。本記事では定義と移行の切り分け、今週の確認手順をわかりやすく解説します。

問い:AI Maxは「新キャンペーン」なのか

いちばん多い質問は、「AI Max用のキャンペーンを新規で作るのか」です。答えはいいえです。ヘルプの注記どおり、AI Maxは検索キャンペーン内の最適化レイヤーです。新規の検索キャンペーンでは、AI Maxの最適化オプションが既定で選ばれた状態から始まります。

実務で起きる誤解は、Performance MaxやDemand Genと並べて「AIキャンペーン枠」として予算を切ることです。予算の箱は従来どおり検索キャンペーンです。AI Maxは、その箱の中で検索語句の広がり方とアセット生成・URL選択を制御するスイッチ群です。社内資料の見出しに「AI Maxキャンペーン」と書くと、運用者がキャンペーン種別を探し始めます。見出しは「検索キャンペーンのAI Max設定」に直します。

問いを先に置く理由は、移行ニュースだけを読むと「全部が9月に強制変換される」印象が残るからです。実際は、対象レガシー設定ごとに有効化される機能が違います。次節で機能を分解します。

分解1:検索語句マッチングとは何か

検索語句マッチングは、キーワード以外の関連クエリにも配信を広げる制御です。キャンペーン単位でONにしたうえで、広告グループ単位でもON/OFFできます。ヘルプでは、AI Maxの検索語句マッチングとアセット最適化の両方をONにすると、ビジネス文脈の信号が揃いやすい、と説明されています。

レポート側では、検索語句レポートに「AI Max」マッチタイプやソース列が加わる説明があります。従来の完全一致・フレーズ・ブロードだけの読み方では、増分クエリの出所が見えません。週次レポートの列にマッチタイプとソースを足し、増分がキーワード拡張なのかキーワードレスなのかを分けます。

日本企業で起きやすいのは、ブランド除外リストを更新しないまま検索語句マッチングだけを広げることです。ブランド設定(包含・除外)はAI Maxのセクションから管理できます。キャンペーン単位の除外と、広告グループ単位の包含の優先関係もあるため、リストの置き場所を1行でメモします。

分解2:テキストカスタマイズと最終URL拡張

テキストカスタマイズは、かつての自動作成アセット(ACA)に相当する制御です。ドメイン、ランディングページ、既存広告、キーワード、アセットから見出し・説明文を生成します。最終URL拡張は、クエリに合うページへ誘導する制御で、テキストカスタマイズが前提です。テキストカスタマイズをOFFにすると、最終URL拡張も自動でOFFになります。

レスポンシブ検索広告(RSA)で見出しや説明文を固定表示している場合の扱いにも注意が必要です。最終URL拡張やURL包含が有効な場合、より関連性の高いURLが選ばれると、その固定表示が尊重されない、とヘルプに表があります。常に固定表示を効かせたいなら、最終URL拡張とURL包含をOFFにする、という選択になります。

URL除外はキャンペーン単位、URL包含は広告グループ単位です。除外は最終URL拡張がONのときに使います。包含と拡張を同時に使うと、指定URLとGoogleが選ぶURLの両方が対象になり得ます。越境サイトで「特定言語パスだけ出したい」場合は、包含・除外の組み合わせを先に設計してからAI Maxを広げます。

2026年の移行:9月対象と2027年2月対象を分ける

Google公式ブログ(2026年4月15日公開、2026年6月11日更新)では、次の切り分けが重要です。ACAとキャンペーン単位ブロードマッチ設定の自動アップグレードは、2026年9月から継続。DSAのサンセットと自動アップグレードは、2027年2月開始に延期。この一文を社内Wikiの先頭に置かないと、「DSAも9月」と「DSAは来年2月」が混線します。

ACA対象キャンペーンが9月に上がると、検索語句マッチングとテキストカスタマイズが既定で有効になる、とブログは説明します。キャンペーン単位ブロード対象は、検索語句マッチングが既定で有効になります。DSAが手動または将来の自動で上がる場合は、3機能(検索語句マッチング・テキストカスタマイズ・最終URL拡張)が有効化され、旧URL制御が引き継がれる説明があります。

「9月末までに対象アップグレードが完了する見込み」もブログにあります。ただしDSAの延期は別枠です。社内チェックリストは「ACA/キャンペーン単位ブロード/DSA」の3行に分け、期限列を別々にします。1行に「レガシー全部・9月」と書く運用はやめます。

論点対比:手動で上げる場合と自動待ちの場合

公式は、自動アップグレードを待たず、今のうちにAI Maxへ移すことを勧めています。手動移行の利点は、テキストガイドライン、URL除外、ブランドリスト、最終URL拡張のON/OFFを、自社のブランドルールに合わせて先に決められることです。自動待ちの利点は作業工数が減ることですが、既定ONの機能が自社ポリシーとずれるリスクが残ります。

対比の実務は次のとおりです。ブランド安全が厳しい商材は、手動でテキストカスタマイズを入れ、禁止語・トーン制限を先に設定します。カタログが薄いBtoBサイトは、最終URL拡張をOFFのまま検索語句マッチングだけ試す、という段階も選べます。どちらも「全部ONが正解」ではありません。ヘルプも、フルスイート利用時の内部データ(非小売で約7%のコンバージョン改善)は参考値であり、自社テストが本体です。

API利用者は、2026年8月12日のGoogle Ads Developer Blogで、キャンペーン単位ブロードとACAのAI Max移行が扱われています。新しいAPIバージョンではレガシーエンティティが外れる、という開発者向け注意が二次報道でも共有されています。実装チームがいる場合は、マーケティングの設定変更とAPIの破壊的変更を同じ週に並べて確認します。

日本の越境・多言語アカウントで起きやすいズレ

日本本社が管理する多言語サイトでは、最終URL拡張が別言語ページへ飛ぶことがあります。対策は、URL除外で言語パスを切る、または広告グループのURL包含で許可リストを固定することです。固定した見出しが特定言語なのに拡張で別URLが選ばれると、表示と着地が噛み合いません。

もう一つのズレは、DSA延期を知らずに「9月に全部終わる」と社内説明することです。経営向け資料では、9月対象(ACA・キャンペーン単位ブロード)と2027年2月対象(DSA)を2段に書きます。1段にすると、予算会議の前提がずれます。

コンバージョンベースのスマート入札が前提、というヘルプ注記もあります。計測が弱いアカウントでAI Maxだけ広げると、最適化の材料が足りません。移行週の前に、主要コンバージョンの発火と除外設定を点検します。

取り違えやすい読み方

いちばん多い誤解は、AI MaxをPerformance Maxの別名とみなすことです。箱は検索キャンペーンです。二つ目は、DSAも2026年9月に強制移行、と読むこと。公式更新では2027年2月開始です。三つ目は、テキストカスタマイズOFFのまま最終URL拡張だけONにしようとすること。依存関係上、それはできません。

四つ目は、RSAの固定表示が常に効く前提でクリエイティブを組むことです。最終URL拡張やURL包含がONだと、固定表示が尊重されない場合があります。五つ目は、内部の平均改善率7%を自社KPIにそのまま置くこと。出典はGoogle内部データで、非小売向けの参考です。改善率は週次レポートの増分クエリ列と並べて読むと、自社への当てはまりが見えます。

今週やること:対象レガシーを3行で棚卸しする

今週の1点は、「キャンペーン名/ACA有無/キャンペーン単位ブロード有無/DSA(動的広告グループ)有無/AI Max状態/確認日」の表を、検索キャンペーンだけ完成させることです。PMaxやDemand Genは別表にします。表ができたら、ACAまたはキャンペーン単位ブロードがある行から、ブランドリストとURL除外の有無を点検します。

DSAだけが残る行は、期限を2027年2月枠に書き、9月の自動アップグレード対象と混ぜない運用にします。点検が終わった行は「確認済」にし、未確認だけを翌週の朝会で見ます。保管先は共有フォルダの固定パス1つ。更新担当は1名、副担当は1名に限定します。

手動で上げる場合は、先にテキストガイドラインと除外URLを入れ、そのあと検索語句マッチングをONにする順序が安全です。逆順だと、生成文や着地が広がってから止めに入ることになります。順序を手順書の1行目に書いてから作業を開始します。

よくある質問

Q. AI Maxは新しいキャンペーン種別ですか?

A. いいえ。既存の検索キャンペーンに載せる最適化レイヤーです。ヘルプにも明記されています。

Q. 2026年9月に何が自動で上がりますか?

A. 公式ブログの2026年6月11日更新では、ACAとキャンペーン単位ブロードマッチ設定の自動アップグレードが9月から続く一方、DSAは2027年2月開始に延期されています。

Q. 最終URL拡張だけONにできますか?

A. できません。テキストカスタマイズが前提で、テキストカスタマイズをOFFにすると最終URL拡張もOFFになります。

Q. 今週いちばん先に見る項目は何ですか?

A. 検索キャンペーンのACA/キャンペーン単位ブロード/DSAの有無を3行に分けた棚卸し表です。

出典

  • Google Ads Help「Set up AI Max for Search campaigns」(AI Maxはキャンペーン種別ではない旨、機能設定)
  • Google Ads Help「How AI Max for Search campaigns works」
  • Google公式ブログ Brandon Ervin「We’re upgrading Dynamic Search Ads to AI Max」(2026-04-15公開/2026-06-11更新:DSAは2027年2月、ACA・キャンペーン単位ブロードは2026年9月)
  • Google Ads Developer Blog「Migrate Campaign-level Broad Match and Automatically Created Assets to AI Max」(2026-08-12)

調査時点:2026年8月。数値の改善率はGoogle内部データの参考値であり、自社テスト結果に置き換えます。

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